一眼レフの上手な写真の撮り方を解説するメルマガ
フォトアドバイスの佐藤孝太郎です。
今回はダイナミックレンジについてのお話です。
メールサポートのご質問に回答させていただきます。
【ご質問】
キヤノンの高輝度側階調優先機能、
ニコンのアクティブD-ライティング、
とはどんな機能ですか?
【ご回答】
1、2年ほど前から、一眼レフに
ダイナミックレンジ拡張の機能が
備わってきています。
メーカーカタログのうたい文句として、
「黒ツブレや白トビの発生するようなコントラストの
強い撮影状況下でも見た目に近いイメージに再現する」
のように書かれているので、
なにかとてつもない機能のように感じてしまいます。
これらの機能は、撮影後の”後処理”
つまり、レタッチでできる作業を
カメラが自動で行っています。
撮像素子のダイナミックレンジが
広がっているわけではありません。
撮像素子のダイナミックレンジは、
こちらの記事を参考にしてください。
↓
http://photo-advice.jp/wp/blog/647.html
具体的には、
露出補正のマイナス補正と、
レタッチの明度調整、
の2つです。
わざと露出補正をアンダー気味にして撮影して、
撮影後にトーンカーブを調整するという
レタッチ作業を自動で行ってくれる機能です。
普段レタッチを行っている方は気づかれていますが、
白く飛んだ部分より、一見黒くつぶれた部分の方が
実は階調情報を豊富に含んでいます。
そこで、撮影時にマイナス補正を行い、
積極的に黒く沈んだ写真を作るのです。
とはいえ、あまり黒くつぶれてしまうと階調情報を
引き出せないので、普段はEV-1程度マイナス補正を
かけているようです。
メリットは面倒なレタッチ作業を行わなくても、
手軽にダイナミックレンジが広がったかのうような
写真を撮ることができます。
デメリットとして、
露出アンダーで撮影するので、暗部の光信号が弱くなり、
ノイズが増えます。ただし、プリントした写真で見比べて
判断できるかどうかの違いだと思います。
また、人によっては写真の仕上がりを
不自然に感じること、が挙げられます。
いずれにしても、本人が気にならなければ
常時Onで撮影してもよい機能だと思います。
こうしたレタッチを自動で行ってくれる機能は
デジタルの進化の恩恵ですので、撮影者が違和感を
感じなければ積極的に使ってもよいと考えています。
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