一眼レフの上手な写真の撮り方を解説するメルマガ
フォトアドバイスの佐藤孝太郎です。
今回はダイナミックレンジについてお話しします。
最近の一眼レフには、ダイナミックレンジを
拡張する機能が備わっています。
ちなみに、ダイナミックレンジとは、
(Dレンジ、ラティチュードとも呼ばれます)
暗いところから明るいところまで
写せる明るさの範囲です。
カメラは人間の眼に比べて、ごく狭い明るさの
範囲しか表現することができません。
その狭い範囲から外れてしまうと、
極端に暗くなったり、白っぽくなります。
屋外の撮影で空が真っ白になったり、
屋内の撮影で窓を背景にすると人物が
暗くなるのはそのためです。
そこで、撮りたい被写体に合わせて
狭い範囲を微妙に調整する作業を
露出補正といいます。
最近の一眼レフは賢くなったので、
ある程度カメラ任せでもよいのですが、
例えば逆光のようなシチュエーションでは
気をつけて露出補正する必要があります。
ここがカメラを理解する”キモ”ですね。
さて、このダイナミックレンジの性能は、
撮像素子で決まってしまいます。
撮像素子はバケツと水(光信号)で
たとえられることがあります。
暗いところではバケツに少ししか水が入っていない、
逆に明るいところではバケツから溢れているイメージです。
バケツに入った水の水位が写真の明るさに
相当します。ここで、撮像素子の明るさは
リニア(線形)スケールで測定するのですが、
人間の眼はログ(log)スケールで測定します。
学校で習いましたが、当然ログスケールの方が
広い範囲を表現することができます。
撮像素子でもログスケールで信号を保存する
ものがありますが、写真にしたときに不自然になる
などの問題があるので、監視カメラなど一部の
用途にとどまっています。
話が逸れてしまいましたが、
最近の一眼レフはダイナミックレンジを広げるために
いろいろな工夫をしています。
例えば、露出を変えた複数枚の写真を自動で合成したり、
わざと暗い露出の写真を撮って、あとで明るく自動補正
しています。
こうした機能について、次回お話しします。
【参考リンク】
英語ですが、グラフを見るだけで面白いですね。
http://www.dpreview.com/reviews/nikond300/page20.asp
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