ご質問
今回は広角レンズ講座でいただいたご質問の回答を紹介します。
他の方の質疑応答は大変勉強になるのでぜひじっくりと読み込んで下さいね。
以前のご指摘で、前の瓦にピントを合わせたのですが、奥の方がぼけてしまいます。
ここは三脚が使えないので、絞りを絞るとISOを上げないとうまく写らないと思います。
奥のボケは写真として大丈夫なのでしょうか?
また、絞った方がいい場合は、ISO感度は
どの程度まで上げてもいいものなのでしょうか。
あまりざらつくのは好きではありませんが、
どの程度までだと写真として大丈夫なのかがよくわかりません。
(写真1)真正面から丸い瓦を撮ってみました。
(写真2)少し斜めから丸い瓦を撮ってみました。
(写真3)もう少し近づけて大きく撮ってみました。
被写体に近づくと被写界深度は浅くなる
まず3枚の構図についてコメントしますね。
どれも広角の特徴である「手前を目立たせる遠近感の誇張」
を活かされていますので、方向性としてはよいですね。
その中で丸い瓦を主題とすると3枚目が最もその意図を感じます。
ただし、ご質問でもあるように、瓦に寄れば寄るほど背後への
ピントが合わなくなります。
これは被写界深度がそうなっているからですね。
被写界深度については
こちらの記事が参考になりますよ。
⇒
http://camera-web.jp/beginner/depth-of-field
今回は主題を手前の丸い瓦と決めているので
背後はボケてもかまいません。
むしろある程度ボケているほうが丸い瓦が目立つという考え方もできます。
広角レンズのよいところは、背景がボケていても
それなりに回廊の奥行きが連なっている様子がわかるところですね。
もしこれ以上ピントを深くしたいなら、f値を絞るしかありません。
f値を絞るとシャッタースピードが低下して手ブレの危険が増すので、
ISO感度を上げてシャッタースピードを確保しないといけません。
最近のカメラは高感度に強くなりましたがそれでもISO800までに抑えたいですね。
風景なので、あまりザラザラはさけたい、でも手ブレするならザラザラの方が良い。
という考えでISO感度を臨機応変に考えてください。
構図はバッチリ!あとは光の条件を待つのみ
構図としては写真3の構図がいいですね。
作品力をアップするには、どれだけ光の条件に恵まれるか?
そしてその条件を活かせるか?ですね
こればかりは自然現象なので、ここに通って粘り強く待つしかありませんね。
あえて改善点をアドバイスすると、
光の条件を活かしつつ古い建物の雰囲気を出すために
露出を-0.3~-0.7EV アンダーにするとよいと思います。
画像修正でイメージに近づけてみました。
交換レンズを使いこなすのが写真上達の近道
今回のように、広角レンズを「広い範囲を撮るだけのレンズ」として使うのではなく、
レンズの特徴を活かす撮り方を実践されていることに気が付いた思います。
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