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2016.11.08 ホワイトバランスの原理原則とは?

メールサポートでいただいたご質問を紹介します。

【ご質問】

カメラのホワイトバランス
について質問です。

光源が多種類ある場合、
ホワイトバランスをAUTOにして
撮ることがあります。

ホワイトバランス設定の
原理原則のようなものがあれば
教えて頂けないでしょうか。

【回答】

カメラのホワイトバランスは
初めて一眼レフを使う方にとって

「???」

に感じられますよね。

まずホワイトバランスとは何か?
をおさらいしておきましょう。

ホワイトバランスとは、
その言葉の通り「白色の調整」です。

別の言い方をすると
「写真の色」を「目で見た色」に
近づけること
です。

このような機能が備わっている理由は
人間の眼が優秀過ぎて、
カメラを調整しないと
見た通りの色にならないからです。

ほぼすべての被写体は、
光源(太陽や蛍光灯)の光を
反射しています。

カメラはこの反射した光を取りこんで
写真を作ります。

ここで光源から出る光の色が
いつも同じではないことが
問題となります。

光の色は、
波長という波の性質で表されます。
人間の眼は光の波長を色という
感覚で認識するように進化しました。

ご存知の通り、光は
様々な色が混ざってできています。
虹やプリズムが有名ですね。

color09-02-330x220

この光の色の混ざり具合が変わると、
その光が当たった被写体の
見た目の色が全然違ってしまいます。

ところが人間の眼はあまりに優秀なので
光の色の混ざり具合が多少変わっても
色味を自動調整して見ることができます。

一方、カメラは融通が利かないので、
例えば、赤 70、緑 50、青 30
のように色を忠実に数値化します。

この数値化された色の混ざり具合を
いかに人間の眼に近い見た目に
合わせこむか?

が、いわゆる絵作りです。

その絵作りにおける重要ポイントが、
「白を白く見せる」つまり
ホワイトバランスです。

このホワイトバランス調整を
一般の人でも使いやすいように
「蛍光灯」「昼光」「曇天」
とあらかじめ用意されている設定から
選べるようになっています。


002

(引用元: Crapaca


また、調整には基準が必要です。

光源の色を現す数字として
使われるのが、K(ケルビン)です。

元々、K(ケルビン)は温度の単位です。
絶対温度 -273℃ が 0 K に相当するので、
摂氏27℃の室温は300Kと表されます。

なぜ温度が色を光源の色を表す単位として
使われるかというと、
何千℃という高温の物体は様々な色を含む
光を放出するということがわかっています。

これは量子力学の入り口なので、
興味がある方は「黒体輻射」で
調べてみてください。

物体の温度(K ケルビン)と
放出する光の色味が関係することから
光源の色を表す基準に
K(ケルビン)が使われるようになりました。

すこし話が脱線しました。

さて、
ホワイトバランスの原則ですが、
判断基準はご自身です」。
決まった正解はありません。

カメラのAUTO設定でも、
カメラ設定で意図的にホワイトバランスを変えても、
RAW現像で細かく調整しても、

写真の色味が自分の思った通りであればOKです。

ホワイトバランスの調整を
どこまで現実から変えるのか?
は撮影者次第です。

ご自身がこれだ!と思った
印象になればゴールです。


ただ、あまりに極端なホワイトバランスの変更は
不自然さを感じさせるので、注意が必要です。

やったかやっていないか
わからないくらいの
さじ加減がよいでしょう。

ホワイトバランスと写真の印象を正しく使いこなす
そうした意味でも、撮影時にRAWデータを
保存しておくとよいですね。
あわせて読んでみてくださいね。
RAWなら露出補正は不要?

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