メールサポートでいただいたご質問を紹介します。
【ご質問】
Canon EOS 5DMark IIIを使っていますが
写真のプリントに悩んでいます。
プリンターはPixus MG6330
(引用:canon)
RAW現像はカメラに付属していたDPP4です。
普段はRAWで撮影したデータを
トリミング等を少し施すだけで、
色合い等はほとんどいじりません。
モニター画面を見て「これでいい」と思って
プリントすると、違った色合いに出力されます。
とてもがっかりします。
モニター画面の色合いと、プリントアウトされた
写真の色合いがマッチングするようにするには
どうしたらいいのでしょうか。
【回答】
パソコンの画面で見た色合いと、
ご自宅のプリンタで印刷した写真の色合いが
違うというのはよくある問題ですね。
ご質問にある
モニターとプリンターの色合わせは
なかなか難しい問題です。
プリントの色合いは、
・カメラメーカー
・パソコン(os)
・パソコンモニター
・画像ソフトの銘柄
・プリンターの種類
・プリンターの設定
・用紙
の組み合わせで決まります。
つまり組み合わせの数だけ
すべてやり方が違うので、
「こうすればいい」という方法がありません。
そもそも、
モニタとプリントの色合いは
なぜ合わないのか?
パソコンやカメラのモニターとプリントでは
光(色)を表現する仕組みが根本的に異なります。
最近のカメラは光の三原色RGB
(レッド、グリーン、ブルー)
で色を記録します。
(引用:ayanpaのデザインうんちく)
パソコンモニタも同じく
光の三原色RGBで表示されます。
ただし、色の表現には基準が無いので
メーカー間でバラツキがあります。
そのため、
パソコンモニタで写真データを表示する時点で、
カメラが撮った色を正しく表示できているか
怪しいと言えます。
さらにプリンターは反射原稿です。
つまり光ではなくインクで色を再現します。
色の三原色CMY(シアン、マゼンダ、イエロー)と
黒を足した4色を基本として様々な色を表現します。
ちなみに8色プリンターなどの細かい色は、
より細かい色を出すための工夫なので
色を作るのは基本的にこの4色です。
このことから、
パソコンモニタとプリントで同じ色にするのは、
かなり難しいことがわかりますね。
では、
モニタとプリントの色味を合わせるには
どうすればいいか?
まずモニタキャリブレーション(調整)という
作業を行います。
これにはキャリブレーション機能が付いた
比較的高級なモニタが必要です。
定評のあるEIZOモニタなら大丈夫ですね。
EIZO CS230-CNX3
(引用:Amazon)
Macはキャリブレーションを行わなくても
比較的色が合いやすい傾向があります。
これを踏まえて
中村カメラマンが行っている方法をご紹介します。
まず写真の色味を微調整できるよう
Adobe Photoshopなどの画像ソフトでプリントします。
最初にテストプリントを行い、
その結果を見てからPhotoshopで色味を調整して
本番のプリントを行います。
Photoshopの色味の調整は補色の関係と
色の差分をしっかりと見極める事が大事です。
つまり
・赤ければシアンを強める
・緑っぽければマゼンタを強める
・青ければ黄色を強める
のように調整します。
経験と職人のカンみたいなものが必要ですが
慣れてくれば一発で綺麗にプリントができます。
最後に、用紙を変えると色味が全く変わってしまうので、
できる限り使用する用紙は同じものを使いましょう。
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