ピントの合った製品写真の撮り方 | 自宅で本格的に写真を学べる!フォトアドバイスの一眼レフ講座 | デジタル一眼レフ上達講座公式Blog -フォトアドバイス-

デジタル一眼レフ無料メール講座
facebooktwitter

デジタル一眼レフ上達講座公式Blog

2015.01.10 ピントの合った製品写真の撮り方

フォトアドバイスの佐藤です。

今回はメールサポートでいただいた
ご質問の回答を紹介します。

他の方の質疑応答は大変勉強になるので
ぜひじっくりと読み込んで下さいね。
【ご質問】

上達講座のDVDをみて、色々な撮影モードを使ってみて、
今まで嵌らなかったパズルのピースが嵌ったような
喜びがありました。

会社で製品の拡大撮影する時に、今までは
接写だからと言う理由で接写モードで撮影していました。

しかし、工業製品の部分撮影をする場合、
(この場合は画面全ての領域にピントを合わせたい、
または凹凸のある部品の凹から凸までピントを合わせたい)
という場合は、以下のような理解でよろしいでしょうか。

・むしろ接写モードはダメ、MかAで撮影
・絞りはなるべく絞る
・絞りを絞った段数分、ISO感度を上げる

但し、金属部は光が反射するため
フラッシュは使わない前提での質問です。
【回答】

画面すべてにピントを合わせるには、
被写界深度をちゃんと理解する必要があります。

被写界深度とは、ピントが合う範囲のことです。
(正確には、合ったように見える範囲)

たとえば、マイクロフォーサーズ機で、
・カメラと被写体との距離 5.0m
・レンズ 50mm (フルサイズ換算 100mm)
・絞り f2.8
で撮影したとすると、

ピントの合う範囲は、
カメラから 4.610~5.461m となり
被写界深度は 0.851mになります。

奥行き(カメラから被写体への距離)が
この範囲に収まっていれば、ピントが合った
写真が撮れます。

もし、絞りをf22まで絞り込むと、

ピントの合う範囲は、
カメラから 3.005~14.873m となり
被写界深度は 11.868mになります。

数字ではわかりにくいかもしれませんが、
それだけ、背景がボケにくくなるわけですね。

また、ピントを合わせた位置に対して、
カメラから遠ざかる方向の方が
被写界深度が伸びていることに注目してください。

テーブルフォトでは、手前から1/3の位置に
ピントを合わせる、という理由がわかるかと思います。
被写界深度は
・レンズ焦点距離 … 短いレンズだと、被写界深度は深くなる
・絞り … 絞り込むと、被写界深度は深くなる
・被写体との距離 … 遠くに離れると、被写界深度は深くなる
の3つで、すべて計算から決まります。
ちょっと、数字が苦手な方には難しいかもしれませんが、
計算サイトで実際に数字を入れてみてください。

※ 被写界深度 計算サイト (http://shinddns.dip.jp/

いままでなんとなく感じていたボケ具合が
じつは、計算で決まってしまうことに驚くと思います。
今回のように、製品の一部を狭い画角で撮ろうとすると、
「焦点距離の長いレンズ」「被写体に近づく」方法をとってしまいますが、
そうすると、必然的に被写界深度が浅くなって、ボケてしまいます。

絞りを絞り込むと、ピントの合う範囲が広くなるので、
それで狙った範囲にピントがくるのであればよいでしょう。

絞ったときは、ご指摘の通りシャッタースピードが低下します。
ISO感度を上げてもよいのですが、被写体は動かないので、
カメラを三脚に固定して、スローシャッターで撮った方が
より精細な写真に仕上がります。

しかし、いくら絞り込んでも被写界深度には限界があります。

大事なことは、やみくもにボケを絞りでコントロール
しようとするのではなく、「焦点距離」と「被写体との距離」を
上手く考えながら、適した条件を探すことです。

「焦点距離の短いレンズ」「被写体から離れる」といった
方法で、被写界深度を確保しましょう。

そのうえで、トリミングを利用して狙った画角に調整するとよいでしょう。
プロカメラマンは、被写体を観察するだけで、
どのレンズ使ってどの絞り値で撮れば、どんな写真が仕上がるか、
シャッターを押す前に完全にイメージできてしまいます。

そこは経験が必要ですが、上記計算サイトを上手く使うことで、
少しでも習得期間を短縮できるといいですね。

いいね!して最新記事を受け取る

この記事を友達に教える

全国の生徒さんが撮った日本のうつくしい「今」を見る

facebook
ページTOPへ