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2014.12.18 金色に輝く月を撮る方法とは?

フォトアドバイスの佐藤です。

今回はメールサポートでいただいた
ご質問の回答を紹介します。

他の方の質疑応答は大変勉強になるので
ぜひじっくりと読み込んで下さいね。
【ご質問】

月の写真について質問させていただきます。
写真の色が見た目と違うという質問です。

レンズはタムロンの150-600mmを使っています。

月の撮影はなかなか難しく、最初は丸に光っている
だけの写真が連発しました。

ファインダーから見た絵とは雲泥の違いで、
あれ!っていう感じでした。

きっとマルチパターン測光が周りの暗い部分を測定し、
カメラが暗いと思ったのだと考えて
スポット測光に切り替えました。
すると月の模様が見える写真になりました。

カメラ設定
・AFエリアモード:シングル
・測光モード: スポット測光

これで、いけるかな思ったのですが、今度は色と月の輝きが、
どの設定を変えても眼に見える金色の月にはなりません。

ViewNX2でホワイトバランスをいじくると
少し黄色くなりましたが、イメージと違います。

ファインダーから見た感じ(金色)を再現する方法について、
よろしければご教示いただけないでしょうか。

ちなみにホワイトバランス「晴天」だと白くなります。
【回答】

150-600mm良いですね、600mmあると月が大きく撮れますね。

2015年4月4日には再び皆既月食がありますね。
これは月が赤茶色になるのでかなり暗いです。
1SO800~1600は必要かもしれません。
まず、月の撮り方をおさらいしておきます。
測光モードの設定はそのとおりですね。
マルチパターンだと、カメラは月の周りの様子から
「暗い」と判断するので、月が露光オーバーになります。

露出オーバーの月は、ウサギ模様も飛んで見えないので、
いわゆる白い丸になってしまいます。

月は太陽の反射で輝いているので、
日中に見える月と、夜に見える月は
意外なことに同程度の明るさです。

ためしに、お昼に月を撮ることを想像してみてください

したがって、
月の明るさだけをカメラに判断させるために、
スポット測光で画面の中央に月を入れます。
すると露出が月に合うのでウサギ模様まではっきりと写ります。
さて、問題の月の色に関しまして。
実は、実際の月の色は金ではありません。
大気の影響もあるので、月は実際には銀色(灰色)に近い色
に見えている事が多いので、撮られたお写真の色は
まあ月そのものの正確な色に近いと思います。

人は先入観で物を見てしまいます。
子供のころ、絵本で黄色い月を読んだことがあるので
そう思い込んでいるのかもしれませんね。

さらに「月が現れる高さ」と「地球の大気の状態」が
月の色に大きく左右します。

地平線近くや水平線近くの月は赤く見える事が多いですよね。
夕日と同じく、大気の層を長距離通過するので、
紫や青色の成分が乱反射して取り除かれます。

つまり「月が現れる高さ」で色が異なります。

また「地球の大気の状態」として、空気中の水蒸気や
チリの状況で色が異なることもあります。

この「月が現れる高さ」と「地球の大気の状態」次第では、
黄色(輝くと金)に見えることがあります。
結論として、
金色に輝く月を撮りたい場合は、月の出(月の入り)時間を
少し過ぎた低めの月を撮ると色がついて見える事が多いです。

経験上、水蒸気の多い海辺の月は黄色ぽく写る事があります。
大気の状態や月の角度、季節でも変わりますので
今後もチャレンジされてみると良いと思います。
ちなみに、

カメラのが表現できる明るさの範囲(ダイナミックレンジ)は
人間の眼よりはるかに狭いので、金色の月の輝きとウサギ模様を
同時に写すことは非常に困難です。
最後にカメラ設定のおさらいです。

WB … 晴天
アクティブD-ライティング … 弱めまたはオフ
露出モード … 絞り優先オート、できればマニュアル露出

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