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2014.11.11 撮影後にピント位置やボケを変更できるカメラ

フォトアドバイスの佐藤です。

一眼レフで写真を撮る醍醐味の一つは、
やはり背景のボケですよね。

どこにピントを合わせて、
背景をどれくらいボカすか?

いわゆる被写界深度をマスターすることは、
写真表現のレベルアップに欠かせない技術です。

レンズと絞りを通ってきた光は、
撮像素子の上に像をつくります。

シャッターを押すと、
このピント位置とボケが出来上がった像を
忠実に画像データに変換します。

したがって、シャッターを押した後は
ピント位置とボケを変えることはできません。

ここまでは、改めて説明するまでもないですね。

ところが、撮影後にピント位置とボケを
変更できるカメラが登場しています。

ライトフィールドカメラ
「LYTRO ILLUM(ライトロ イルム)」
加賀ハイテックより、国内新発売
↓ ↓
http://www.kagaht.co.jp/news/pdf/2014/KH141105.pdf

一見すると、ミラーレスカメラのような外観。

ただ、スペックをよく見ると、

・f2.0固定?
・センサー数 4000万光線?
・出力画素数 400万画素

と、通常では考えられない表記が記されています。

このカメラは
「ライトフィールドカメラ」という
すこし特殊なカメラです。

ライトフィールド(光照射野)とは
光のすべての情報を意味しています。

光は強さ(明るさ)、色だけでなく、
方向というパラメーターを持っています。

普通のカメラは、
RBGの画素を敷き詰めた撮像素子で、
レンズを通ってやってきた
光の強さと色を観測して像をつくります。

一方で、ライトフィールドカメラは、
特殊な撮像素子を使って、撮像素子に光が
当たる方向まで観測できます。

レンズと光線の断面図を見るとわかりますが、
光が撮像素子に当たる方向は、
ピント位置とボケに関連しています。

したがって、ライトフィールドカメラが
出力する画像データは、光の強さと色だけでなく
普通のカメラが切り捨ててしまっていた
ピント位置とボケの情報を含んでいます。

この出力データをあとでソフト処理することで、
ピント位置とボケを変えることができます。

※ 原理をしっかり理解したい人は、こちらをどうぞ
※ https://www.lytro.com/downloads/resources/renng-thesis.pdf

デメリットとして、
光の方向を観測するために
たくさんの画素を使っているので、
4000万画素の撮像素子に対して、
出力できる画像データは数百万画素に減ってしまいます。

出力データの画素数を最新の一眼レフに比べると
どうしても見劣りしてしまいます。

販売元も、プリント用途では優位性を示せないので、
タブレットでボケを変えて遊ぶといった用途を
考えているようです。

一方で、一時期ほど競走軸ではなくなりましたが
撮像素子の高画素化は着々と進んでいます。

近い将来、LYTROの出力画素数が
印刷用途に耐えられるようになると、
一気に流れが変わる可能性が無いわけではありません。

特に、ウェディングなどやり直しのきかない
一発勝負の舞台では重宝されるかもしれません。

デジタル化によって、撮影後のRAW現像が一般的になりました。
RAW現像では撮影後に明るさをある程度調整できるので、
カメラマンは露出の煩わしさからかなり解放されました。

LYTROが進化して、印刷用途に耐えられるようになると、
次は被写界深度の点でも解放されるかもしれませんね。

 

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