フォトアドバイスの佐藤です。
今回はメールサポートでいただいた ご質問の回答を紹介します。
他の方の質疑応答は大変勉強になるので ぜひじっくりと読み込んで下さいね。
【ご質問】
これまでほとんど花や風景を撮ってきましたが、 最近、人がいきいきと何か(仕事など)に専念したりして 輝く姿を、いいな、と思った時に撮ってみたいと 思うようになりました。
ただ、仕事でカメラマンとして取材をしたりするわけでもなく、 自分の感性の記録として撮るので、肖像権の問題もあり、 どのような機会に撮ったらよいかに困っています。
都会に住んでいるため、街中でふとした瞬間の いきいきした表情をみつけて撮りたいと思うのですが、 どのような場所なら、肖像権などに触れず相手に不審に思われずに 一眼で撮影ができるでしょうか。
なにかアイデアというかアドバイスがありましたらお願いします。
【ご回答】
著作権と肖像権という言葉が最近はよく出て来ますが 混乱しないために、確認しておきますね。
『著作権』は主に『物』を撮影するときに問題になります。
著作権法という法律があって、 『物』を撮影=複製した場合に起こり得る問題です。
芸術品や平面(二次元)の物を撮るときは注意な法律です。
敷地外から国内の建築物を撮影することは大丈夫です。
『肖像権』は人物の顔を撮った場合に 起こる”かもしれない”問題です。
ご質問のように『人』を撮影する時ですね。
そして
★ 肖像権には肖像権法という法律はありません。
ここが、ちょっと混乱するところです。
つまり、他人の顔を撮ったらダメという法律がないので、 撮影した相手が文句を言わなければ肖像権の問題は発生しません。 ある意味、『被写体になった相手次第』です。
しかし、このご時世。 デジタルデータがインターネットを介して世界中に広がるので、 普通は他人を無断で撮影したら、文句を言われますよね・・・
また、「写りこみ」の範囲として、 個人が特定できない程度に写った人物は 法律的にはセーフです。
他に肖像権が大丈夫(なことが多い)ケースとして。
◇ 祭り
祭りなど人目に触れるものへ参加するという事は 撮影されても良いという暗黙の了解があります。
が、参加者にはどんな人がいるか分らないので、 グレーゾーンを意識してくださいね。
◇ 公人
政治家、国家元首、天皇陛下には肖像権はありません。 業務中の公務員にも肖像権はありません。
◇ 報道
最近はモザイクが増えていますが、報道の映像、写真は 写り込んだ大衆人物は法律的にセーフです。
また、肖像権を考えるときは、撮った写真をどこまで 公開するのか?がポイントになります。
写真を人に公開せずに個人で楽しむのならセーフです。 ですので、祭りや群衆を撮影するのは基本的に自由です。
昔の大御所の写真家の時代はかなり緩かったのですが 現在では、人物スナップは大変難しいですね
大事なポイントは、 撮るときに『承諾』をもらうことです。
シャッターを押す前に、 「撮影しても良いですか?」と 一言かけるようにしてください。
同時に、 ブログやSNS等に載せるのか? 個人の楽しみの範囲に留めるのか? といった、公開の範囲をしっかり説明するとよいでしょう。
『承諾』は書面がベストですが、誰でも一筆書けと言われると 躊躇するので、カメラの動画機能を使って、交渉シーンを 録っておくとよいでしょう。(音声だけでもOK)
くれぐれも、 プライバシーの侵害には気を付けてくださいね。 こちらはちゃんと法律があります。
参考書籍
「スナップ写真のルールとマナー」 他人に迷惑をかけないためのカメラマン必携の書
↓↓ http://amzn.to/13RIHjG
ちなみに、五海カメラマンの通りすがりの人に 声をかけるタイミングは、絶妙です。
セミナー第五弾の「街角スナップ」DVDをご覧くださいね。
↓ ↓ http://photo-kouza.com/dvd_seminar_5/stc/
いいね!して最新記事を受け取る
この記事を友達に教える
全国の生徒さんが撮った日本のうつくしい「今」を見る