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2013.09.28 一眼レフ☆ 背景をボカさずに人物を撮りたい

フォトアドバイスの佐藤です。

今回はメールサポートでいただいた
ご質問の回答を紹介します。

他の方の質疑応答は大変勉強になるので
ぜひじっくりと読み込んで下さいね。

【ご質問】

EOS 7Dを使って、子供を中心に撮っています。

子供を撮る時に背景もぼかさないで撮りたいのですが、
設定はP、TV、AVのどれにすればいいですか


【ご回答】

ポートレート撮影は背景をボカして
人物を浮き上がらせるように撮るのがセオリーです。

一方で、美しい風景に人物を入れて
印象的な作品を撮る方法もありますね。

メールサポートの中村カメラマンが得意とするスタイルです。


背景をボカしたくない場合、
被写界深度を深くする必要があります。

ここでおさらいです。
被写界深度とはピントが合う範囲ですね。
被写界深度が浅いと背景がよくボケて、
被写界深度が深いと背景までピントが合います。

また、手前から遠くの無限遠までピントが合っている状態を
パンフォーカスといいます。パンフォーカスのメリットは
ピント合わせが不要になることですね。

オートフォーカス機能が貧弱だった昔のカメラで
動く被写体を撮るときによく使われたテクニックです。

ちなみに、
「パンフォーカス」は和製英語です。
英語は「ディープフォーカス」といいます。


背景のボケ=被写界深度は、
「絞り値」「レンズの焦点距離」で決まります。

ご質問の「設定」で深い被写界深度を得ようとすると、
「Av…絞り優先」に設定して、絞り値を大きくするとよいでしょう。

たとえば絞り値をf16以上にするとボケ量はかなり少なくなります。

しかし絞り値を大きくするとシャッタースピードが低下するので
安易に絞りすぎるとブレブレ写真になってしまいます。

お子さんの撮影ではシャッタースピード1/250程度を確保したいので、
シチュエーションによりますが、絞り値をf16以上に設定するのは
難しいかもしれませんね。


そこで「レンズの焦点距離」を活用します。

お持ちのカメラはEOS 7DのAPS-Cなので、フルサイズに比べて
焦点距離が短いレンズが揃っていると思います。

たとえばキットレンズ18-55mmを装着して、
広角側18mmで絞り値f4に設定します。

この状態で 3.9m 先のお子さんにピントを合わせると
1.9m~∞の範囲にピントが合います。

1.9mの手前から∞(無限遠)までピントが合うので、
お子さんと背景すべてにピントが合う写真を撮ることができます。
これがいわゆるパンフォーカスです。

しかも絞り値はf4なので、シャッタースピード低下の心配もありません。


絞りを開けるとボケる、絞るとボケない
というのはご存じだと思いますが、

このように被写界深度の基本をしっかり理解していると、
無駄に絞りを絞ってブレた写真を連発する
といった失敗を防ぐことができます。

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