フォトアドバイスの佐藤です。
今回はメールサポートでいただいた
ご質問の回答を紹介します。
他の方の質疑応答は大変勉強になるので
ぜひじっくりと読み込んで下さいね。
【ご質問】
EOS 7Dを使って、子供を中心に撮っています。
子供を撮る時に背景もぼかさないで撮りたいのですが、
設定はP、TV、AVのどれにすればいいですか
【ご回答】
ポートレート撮影は背景をボカして
人物を浮き上がらせるように撮るのがセオリーです。
一方で、美しい風景に人物を入れて
印象的な作品を撮る方法もありますね。
メールサポートの中村カメラマンが得意とするスタイルです。
背景をボカしたくない場合、
被写界深度を深くする必要があります。
ここでおさらいです。
被写界深度とはピントが合う範囲ですね。
被写界深度が浅いと背景がよくボケて、
被写界深度が深いと背景までピントが合います。
また、手前から遠くの無限遠までピントが合っている状態を
パンフォーカスといいます。パンフォーカスのメリットは
ピント合わせが不要になることですね。
オートフォーカス機能が貧弱だった昔のカメラで
動く被写体を撮るときによく使われたテクニックです。
ちなみに、
「パンフォーカス」は和製英語です。
英語は「ディープフォーカス」といいます。
背景のボケ=被写界深度は、
「絞り値」「レンズの焦点距離」で決まります。
ご質問の「設定」で深い被写界深度を得ようとすると、
「Av…絞り優先」に設定して、絞り値を大きくするとよいでしょう。
たとえば絞り値をf16以上にするとボケ量はかなり少なくなります。
しかし絞り値を大きくするとシャッタースピードが低下するので
安易に絞りすぎるとブレブレ写真になってしまいます。
お子さんの撮影ではシャッタースピード1/250程度を確保したいので、
シチュエーションによりますが、絞り値をf16以上に設定するのは
難しいかもしれませんね。
そこで「レンズの焦点距離」を活用します。
お持ちのカメラはEOS 7DのAPS-Cなので、フルサイズに比べて
焦点距離が短いレンズが揃っていると思います。
たとえばキットレンズ18-55mmを装着して、
広角側18mmで絞り値f4に設定します。
この状態で 3.9m 先のお子さんにピントを合わせると
1.9m~∞の範囲にピントが合います。
1.9mの手前から∞(無限遠)までピントが合うので、
お子さんと背景すべてにピントが合う写真を撮ることができます。
これがいわゆるパンフォーカスです。
しかも絞り値はf4なので、シャッタースピード低下の心配もありません。
絞りを開けるとボケる、絞るとボケない
というのはご存じだと思いますが、
このように被写界深度の基本をしっかり理解していると、
無駄に絞りを絞ってブレた写真を連発する
といった失敗を防ぐことができます。
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