ご質問
広角レンズ習作として風車をいれて撮ったものです。
(写真1)
(写真2)
(写真3)
広角での被写体の選び方、構図のことなどがまだまだ理解できていません。主題は遠・近のどちらに置いてもよいのでしょうか。
広角レンズの特徴をおさらいしましょう
広角レンズの特徴の一つは、広い絵が撮れることです。したがって、遠くのものを主題にした風景撮影は広角レンズの特徴を活かした作品として間違いではありません。
また、広角レンズの特徴には「遠近感の誇張」があります。講座でもお伝えしていますが、「近いものはより近く、遠いものはより遠く」肉眼で見える様子より強調される効果ですね。
この「近いものはより近く、遠いものはより遠く」を上手く活かしつつ、「何を撮りたいか?」をハッキリさせた構図にすることで、広角レンズの特徴を活かした作例として成立します。
したがって、今回のお写真の中では写真3が広角レンズのアプローチとしてはいいですね。この近いものに寄って強調しつつ背景に足し算を入れる考え方と視点を大切にするとよいでしょう。
また広角レンズは背景に色々なものが写り込んできます。それらをどうやって「整理して(=引き算)」「必要なものだけを入れる(=足し算)」を意識しながら構図を工夫しましょう。おそらく、標準レンズの3倍はアングル決めがシビアになると思います。
写真3が広角レンズのアプローチとして正解
写真1 アドバイス
まず画面の上端にフードのケラレが写っています。おそらくフードがちゃんと取り付けられていないと思いますので、装着を確認してみてください。
人は大きく写ったものを主題と認識するので、柵が主題なのか、風車が主題なのか、わかりにくく感じてしまいます。
ここでは、柵の朽ちた木の質感描写を中心にして、余分なものを入れない「引き算」で撮ったほうが意図が明確になりますね。
あとは曇り空は要注意です。広角であまり曇り空を入れると写真全体が寂しい感じになってしまうのでできる限り雲を画面から追い出してみましょう。
写真2 アドバイス
グリーンの中に色のついた花をポイントにしたのはいい着眼点ですね。ただ、全体に対して主題の花が小さいのでイマイチ主題がはっきりしません。もう少し自己主張できる花を探すか、撮影の方法を工夫する必要があります。
広角で花を撮るときは、かなりローアングルで撮るなど大胆なアングルとか、もっと誇張を活かせるように工夫できるといいですね。
あるいはたくさん群生している花が見つかれば、誇張と広角らしさを活かせるチャンスでもありますね。
写真3 アドバイス
遊具の綱に着目して、それを目立たせる撮り方としては正解です。
あとは背景を含めた構図のバランスですね。人は面積が大きいものを主題とみなすので、結び目にさらに一歩近づいて、大きく写すと写真の印象が変わります。
手前に配置した主題と背景のバランスはとても重要です。極端に近づいた写真、少し離れた写真などいろんなアングルで撮り比べて、標準レンズとは一味違う広角レンズのポールポジションを見つけられるようにがんばりましょう。
最近の広角レンズ受講生の作品として、これくらいシンプルに主題と背景を画面整理できるのが目標ですね。
また、こちらの記事も参考にしてくださいね。
http://camera-web.jp/lenz/wlenz
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