【ご質問】
桜が主題の風景写真で、人が入ったものを撮りました。
1枚目「桜舞う道」
2枚目「花の小道」
あくまで桜がテーマなので、人は入れない方がいいのか、アクセント的に入れると引き立つのか、如何でしょうか?
ご指導頂ければ有難いです。
【回答】
風景写真に通りがかりの人を入れるかどうか?はよくいただくご質問です。
結論として「できるだけ入れない」が基本です。
人間の進化の影響なのか、人は写真に写った人物に異様に惹きつけられます。美しい桜風景の写真を観たときに、小さく人物が写っているだけで、桜風景ではなく小さな人物をより注目します。
つまり、写真において人物の存在感は撮影者が考えている以上に大きいので、気をつけて取り扱わないといけません。このあたり、映画やテレビではエキストラとして敢えて通行人を入れるのと随分違いますね。
人物を入れた風景写真で有効なのは、写った人物と風景に関連性がある場合です。例えば、お城の写真に着物姿の人が写っていた場合、時代性という関連性があるのでマッチします。
ただ、少しでも違和感があると作品が台無しになりますし、人物のシルエットや立ち位置も慎重に選ばないといけないので、風景写真に人物を入れることは難易度が高い撮影です。
そういうわけで、今回のご質問の中に「あくまで桜がテーマ」と書かれているので「できるだけ入れない」が正解です。
1枚目の写真の場合、この自転車の少年を主題として撮影したのなら、桜散る中での良い写真と言えますね。2枚目の写真も同様です。写真の副題(ポイント)としては弱く、この人物はいない方が桜と花びら散る道としての良さが活きます。
もちろん、もっとシチュエーションに合う人物が通れば良い場合もあります。
柴犬と散歩するおばーちゃんとか、少年野球のユニーホームを着た子供達とか・・・
つまり、中途半端な人物は入れないで人が途切れるまで待つが基本です。そこも「引き算」の考え方ですね。
風景に人物を入れると主題と人物が入れ代わってしまう事が度々起こります。この主題が入れ代わる危険性を意識するように気をつけましょう。
もちろん、入れ代わる事でプラスになる事もあります。例えば、カラフルなロードレーサータイプの自転車が並んで疾走していたり、女学生がセーラー服で走ったいたり、渋いレトロな自転車の牛乳配達のおじさんであったりと等々(他にも雰囲気が上がる何か)。
主題が入れ代わる事で良い作品になるシチュエーションを狙える時は、積極的に狙ってください。その人物がシチュエーションにどれだけマッチしているか?を重視して判断するといいですね。
風景に人物を入れたほうが良いか?は「フォトアドバイスちゃんねる vol 19」
18分50秒(18:50)コーナー2でも解説しています。
ぜひご覧くださいね。
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