一眼レフの上手な写真の撮り方を解説するメルマガ
フォトアドバイスの佐藤孝太郎です。
雨の日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は昨年のフォトキナで発表されたシグマSD1について
ご質問をいただきましたので回答をご紹介します。
【ご質問】
6月に発売される シグマSD1 の
フォベオンX3センサについて、
概要と将来性を教えてください。
【ご回答】
6月10日にシグマからフォベオンX3センサを搭載した
SD1が発売されます。
↓
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/pview/20110527_448669.html
実売価格が70万円台と高価なこと、
画角がレンズ表記の1.7→1.5倍に変更されたこと
ボディが大型化したこと
など、かなり大幅に手を加えた様子がうかがえます。
foveon X3についてはこちらで説明されています。
↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/Foveon_X3
難しい記述ですので、以下で簡単に説明します。
ニコンやキャノンなど一般のデジタルカメラメーカーが
採用している撮像素子は赤、緑、青の三色を別々の場所に
配置しています(ベイヤー配列)。
ベイヤー配列のイメージ
↓
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/c/cb/CCD_Bayer_layout.png
一方で、フォベオンは一つの画素で同時に3色を識別する
ことができます。
↓
http://prismmm.com/wp-content/uploads/2010/10/101031fov.gif
この2つの方式を比較すると・・・
ベイヤー配列の弱点は空間的に異なる色を演算で
補間するので、モアレなどの偽色が発生する事です。
モアレの説明
↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%83%AC
このモアレを抑えるために、ローパスフィルターという
フィルターを撮像素子の前に配置しています。
このローパスフィルターは画像を甘くする副作用が
ありますので、厳密には画質が悪くなります。
一方で、フォベオンは空間的に同じ場所で
3色を識別するので、原理的にモアレが発生しません。
モアレが発生しないということは、
ローパスフィルターが必要ないので、
解像度が高いという特徴があります。
その分、1画素で3色を識別するために、
構造がかなり複雑になるので、
高感度特性が悪いという弱点があります。
今回のFoveon X3がどれくらいの実力を備えているかは
これからの実写評価に期待しましょう。
ただし、フォベオンの性能を発揮するためには、
レンズと撮影条件をしっかり準備して、
かつレタッチで絵作りしないといけません。
フォベオンセンサが発表されてからずいぶん年月が
立ちますが、いまだにシグマ社しかフォベオンを採用していません。
本当にFoveonが素晴らしい方向性を持っているのなら、
各社がこぞって採用しているはずです。
実際にはシェアの低いシグマが独自性を出すために
多少無理をして使いこなしているように見えます。
もし普通の一眼レフでは満足できずに、
もっと違う世界を試したいというのであれば
チャレンジしてみてもよいかもしれません。
過去のフォトキナレポートはこちらから
↓
http://ameblo.jp/photoadvice/entry-10672544435.html
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