フォトアドバイスの佐藤です。
ソニーからフルサイズミラーレスの新機種
α7IIが発表されました。
光学式5軸手ブレ補正機能を内蔵した
35mmフルサイズデジタル一眼カメラ 『α7 II』を発売
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201411/14-1120/
ソニーは昨年秋にミラーレスカメラのフルサイズ版として
世界初となる、α7とその上位機種であるα7Rを発売しました。
その後、超高感度カメラとして話題になったα7Sを発売しました。
売れ行きは好調のようで、本格的なフルサイズを
コンパクトなボディで楽しめることが共感されているようです。
そこから、わずか1年でα7の後継機が発表されました。
このα7IIの特徴は、「手ぶれ補正」です。
手ぶれ補正とはご存知の通り、シャッタースピードが遅い
ときに発生する、カメラの動きに起因する写真のブレを
抑える仕組みです。
手ぶれ補正は電子式と光学式の2通りがあります。
電子式はもっとも簡単な機構で、
画像データを取得してから、画像加工(いわゆるレタッチ)で
ブレを目立たないように補正する方法です。
画像加工を行うので、光学式に比べて鮮明な画像を
得られないことから、一眼レフでは使用されていません。
一方、光学式は撮像素子に当たる光、あるいは
撮像素子そのものを動かしてブレを補正します。
電子式に比べて画像の劣化がないので、一眼レフでは
こちらが採用されています。
光学式には主にレンズシフト方式とセンサーシフト方式の
2通りがあります。いずれにしても、カメラが動いたときに、
カメラの動きをジャイロで検知して、手ぶれをキャンセルします
レンズシフト方式は、レンズに補正機構を組み込んだ方式です。
キヤノンのIS、ニコンのVR、ソニーのOSS、などが挙げられます。
レンズの作りが複雑になりますが、ファインダーで覗いたときに
手ぶれの少ない像を見ることができます。
センサーシフト方式は、ペンタックスのSR、オリンパスのISとして
採用されています。撮像素子そのものを動かすので、基本的に
どんなレンズを装着しても手ぶれ補正の恩恵を受けることができます。
一眼レフ普及期には、各社がどの手ぶれ補正を
採用するか注目されていました。
結局、昔から手ぶれ補正レンズを販売しているキヤノンとニコンは
レンズシフト方式を採用して、ミラーレス化などで新マウントに
移行した他社はセンサーシフト方式を採用しています。
レンズシフト方式とセンサーシフト方式のどちらがいい
という判断は難しいですね。
スポーツのように激しく動く被写体の場合、光学ファインダーで
手ぶれの少ない絵を確認できるレンズシフトの方が便利ですし、
どんなレンズを付けても手ぶれ補正が可能なセンサーシフトは
機材のコストを抑えるのに役立ちます。
今回のα7IIは、5軸のブレに対応しています。
5軸とは、XYの角度、XYの並進、回転の5軸です。
ちなみに、レンズシフト方式では回転を補正することはできません。
ミラーレスではオリンパスが先行して搭載しているので、
今回のα7IIはフルサイズとして世界初となります。
α7IIの手ぶれ補正の面白いところは、手ぶれ補正機能のあるレンズを
装着すると、レンズとボディで手ぶれ補正を役割分担することです。
手ぶれ補正機能は、手ぶれを防ぐだけでなく、ペンタックスの
アストロトレーサーのように新しい用途が考案されています。
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家電メーカーである、ソニーならではの新しい発想で、
思いもよらない手ぶれ補正機構の活用方法が出てくることを期待します。
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