フォトアドバイスの佐藤です。
今回はメールサポートでいただいた
ご質問の回答を紹介します。
他の方の質疑応答は大変勉強になるので
ぜひじっくりと読み込んで下さいね。
【ご質問】
普段は風景写真・ポートレイト撮影を行い楽しんでいます。
「はじめてのRAW現像・レタッチ」DVDに触発され、
Lightroomでの写真管理、現像にチャレンジしています。
現像処理をしていて思った事を質問させて下さい。
現像処理をしていると楽しくて色々と処理を加えたくなります。
触っているうちに【後ろめたい】気になってきます。
現像と改竄の境が分からなくなってしまいます。
・ゴミが落ちていれば消してしまう。
・電線があれば消してしまう。
・曇っていたら青空にしてしまう。
・緑が薄ければ濃くしてしまう。
・主役が目立つ様に周りを暗くする。
・周辺光量を落とす。
自分が肉眼で見た時と同等までなら良いのか?
せっかく出掛けても晴れの日ばかりではないので
晴れていればこんな感じかなといじってしまう。
講義の中で逆算とおっしゃっていましたが、
実際に作業していると自分の目標イメージがどんどん膨らんでいく。
今はLightroomの勉強をしているつもりで色々いじってます。
という事を自分へ言い訳にしている。
村田先生,中村先生も現像でいじる事は否定していなかったし、
テクニックに溺れるなとも仰ってました。
五海先生は隠れているデータを引き出しているとも仰ってました。
基準・境目・心構え・お考え等
ございましたらお教え下さい。
【ご回答】
デジタル時代になってRAW現像、レタッチという
写真加工の敷居が下がりました。
その結果、加工をどれくらいやるのが正解か?
という、新しい悩みが出てきましたね。
特にレタッチはプロカメラマンによっても
意見は様々、やり方も多彩です。
コンテストでもレタッチ不可の場合が多いですね。
プロによっては
レタッチなど一切加工する事を嫌う考え方もありますし
反面、デジタル加工を駆使した作品も多く見られます。
それらはどちらも正解で、
それがデジタルという表現方法ではあると考えますが
中村カメラマンの考えは次の通りです。
まず、基本をお伝えしますが、
RAW現像とレタッチは違います。
最近はRAW現像ソフトとレタッチソフトで
やれることが似てきましたが、おおむね以下の
分類でよいでしょう。
★ RAW現像とは
RAW=生データを写真にする作業です
・明るさを変える
・コントラストを変える
・シャドーやハイライトを調整する
・ホワイトバランスを変える
・ピクチャーコントロール・スタイルを変える
作業を行い、JPEGやTIFFといった画像データに
変換する作業がRAW現像と言えるでしょう。
★ レタッチとは
・邪魔な写りこみや電線などを消す
・合成処理
・逸脱する範囲の色、彩度の変更
・大きく現実とは違う加工処理
などが挙げられます。
レタッチで覚えていただきたいことは
『何か一つ行うと,何か一つ以上失う』
ということです。
これはトーンや画質のみならず、写真の「信頼性」も含まれます。
これをレタッチを行う前に、よく考えるとよいでしょう。
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