メールサポートでいただいたご質問を紹介します。
【ご質問】
ストロボDVDを購入しました。
DVDの中で「ストロボには止める力がある」
と中村先生が言われています。
これは
「ストロボを使えば、例えば1/60より遅い
シャッタースピードでもブレにくくなる」
という意味でしょうか?
【回答】
ストロボは
「暗い被写体を明るく照らすだけ」
と思い込んでいる方もいますが、
上手く使いこなすと幅広い写真表現を
実現できる重要なアイテムです。
カメラに内蔵されているストロボは
光量が弱く光の角度を変えられない
欠点があります。
せっかく一眼レフを持っているのなら、
外付けストロボ(クリップオンストロボ)を
1つ購入するといいですね。
さて、
「ストロボには止める力がある」
について解説します。
まずおさらいです。
そもそも写真とは、
レンズを通った光が
カメラの中に貯められることで
像を作るんでしたよね。
キレイな像を作るには、ちょうどよい量の
光を貯めないといけません。
光が多すぎると、写真が白くなるし
光が少なすぎると、写真が暗くなります。
カメラは絞りとシャッターの開閉時間
(シャッタースピード)を使って
貯める光の量をコントロールします。
強い光が当たっている被写体では、
1/1000秒、1/500秒という早いシャッタースピードで
カメラに光を素早く採りこみます。
逆に、暗いシチュエーションでは
1/5、2秒といった遅いシャッタースピードで
長時間光を採りこみます。
遅いシャッタースピードでは、
被写体が動くとブレてしまう
という心配があります。
ということは、
十分な量の光を素早く被写体に
当てることができれば、
被写体はブレずにキレイな像を
作ることができますよね。
これを実現するのがストロボです。
ストロボの光は閃光
(一瞬にして放たれる強烈な光)です。
キレイな像を作るのに十分な光を
ストロボだけで創り出すことができます。
つまり
ストロボの発光時間が
シャッタースピードと同じになる
といえます。
ではストロボの閃光時間は
どれくらいでしょうか?
これはカタログの仕様に記載されています
例えばSB910の場合
Nikon スピードライト SB-910
Amazon
閃光時間を次のように変えられます。
約1/880秒:M1/1発光(FULL)
約1/1100秒:M1/2発光
約1/2550秒:M1/4発光
約1/5000秒:M1/8発光
約1/10000秒:M1/16発光
約1/20000秒:M1/32発光
約1/35700秒:M1/64発光
約1/38500秒:M1/128発光
右側のM○/○は、フル発光に対する
発光量を表しています。
これを見ると、最も閃光時間が長い
フル発光でも閃光時間は880分の1秒です。
シャッタースピードが1/500より早ければ
ほとんどの被写体を止めて撮れるので、
十分早いシャッタースピードと言えます。
これが「ストロボには止める力がある」理由です。
ただし、ストロボ以外の環境光
いわゆる周りの光が影響するので注意が必要です。
例えば、夕方にストロボを使ったり、
LEDライトと一緒にストロボを使ったりすると、
それらの環境光でも写真の像が作られるので、
ちょっとブレる事はあります。
もちろん真っ暗な中で光らせば、
この閃光時間=シャッタースピードと言えるのですが、
ピント合わせが大変かもしれませんね。
ストロボが気になる方は
こちらを参考にしてください。
フォトアドバイスDVD「はじめてのストロボライティング」
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