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フォトアドバイスの佐藤です。
今回はデジタルカメラのテクノロジーに 関するお話です。
フィルムカメラからデジタルカメラへの一番の特徴は、 銀塩フィルムが電子部品に置き換わったことです。
いわゆる、CCDやCMOSセンサ、撮像素子ですね。
この撮像素子はここ10年で飛躍的に性能が 高まってきました。
特に、高感度化は著しいですね。 ISO感度10万とか、フィルム時代の人から見ると 表示を間違えているんじゃないか!? と思うくらい桁外れの性能が現実化しています。
その撮像素子の分野で、ブレイクスルー技術が 表彰されましたのでご紹介します。
平成25年度全国発明表彰「内閣総理大臣発明賞」を受賞 ~裏面照射型CMOSイメージセンサーの発明により 次世代のCMOSイメージセンサー技術の確立と発展に貢献~
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201305/13-063/
この全国発明表彰は優れた発明に対して与えられる賞で、 「内閣総理大臣発明賞」は準優秀賞に相当する名誉ある賞です。
そのほかの表彰発明を見ると、興味深いものがいくつかありますね。 ↓
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/zenkoku/2013/zenkoku_jusho_ichiran.html
この発明は、「裏面照射型CMOSセンサ」というものです。
コンパクトデジカメやスマートフォンのカタログにも 記載されることがあるので、目にしたことがあるかと思います。
裏面照射の技術をあえてたとえると・・・
高層ビルが立ち並ぶオフィス街で、 地面の芝生にもっとお日様の光を当てたい。 でもビルの影が邪魔で、太陽が芝生の真上に来た時しか 十分な日光が当たらない・・・
↓
地面を薄く削って、地面の下から太陽の光を当てればいいじゃん!
という発想です。
地面の芝生 … 光を電気信号に変えるフォトダイオード 高層ビル … 電気信号を取り出す電子部品と配線
まさに逆転の発想ですね。
実際には撮像素子を形成したシリコンウェハをペラペラになるくらい 精密に薄く削り、別のシリコンウェハに貼り付けるという 気の遠くなるような微細加工で実現しています。
さて、この裏面照射の技術はPentaxQのような一部の機種を除いて まだデジタル一眼レフに採用されていません。
理由はいくつかありますが、
デジタル一眼レフの撮像素子はコンパクトデジカメやスマートフォンの 撮像素子に比べて1画素の面積が大きいので、 それほど日当たりに困っていない、という理由が挙げられます。
裏面照射を採用することで、ノイズが増えたり、 コストが増大するというデメリットとのバランスですね。
とはいえ、進化のスピードが非常に速いデジタル一眼レフの世界、 裏面照射でトップを走るソニーあたりが、サプライズを出してくる ことを期待しましょう。
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